このサイトを立ち上げた背景には、特に量子力学の教科書や解説に対する問題意識があります。実際に行われている計算や分析とはあまり関係のない哲学的な説明や、ふわっとした雰囲気による説明が、しばしば概念理解をかえって曖昧にしているように感じています。
そこで、量子力学の基本に立ち返り、確率論をベースにして、土台から少しずつ組み立てていく理解を目指します。観測、状態、測定後の状態、非可換性といった概念を、神秘的な言葉で包むのではなく、どのような計算と定義に支えられているのかを丁寧に見ていきます。
同じことは、熱力学や統計力学などの分野にも言えます。どの分野でも、基礎概念を曖昧なまま使い続けると、式は追えても何をしているのかが見えにくくなります。このサイトでは、大学物理のさまざまなトピックについて、その基礎的な概念理解を補強する記事を積み重ねていきます。
中でも量子力学は、概念的な説明が大雑把なまま流通しやすい分野です。だからこそ、確率論と数式に基づいて、もう少し地に足のついた理解を提示したいと考えています。